持ち家と賃貸はどっちが得?6年住んだ施主が「賃貸にはかからない費用」を実額で全部出します
「持ち家と賃貸、どっちが得か」は、いつまでも終わらない話です。
私も家を建てる前、たくさん読みました。でも読み終わったあと、いつも同じ感想でした。実額が出てこない。
「固定資産税がかかります」「修繕費を積み立てましょう」——それはそのとおりです。ただ、いくらなのかが書いていない。書いてあっても「一般的には◯万円」で、誰かの家計簿ではありませんでした。
そこで、我が家の6年分を出します。2020年に一条工務店のi-smartを建て、いま6年目です。
先に結論|どっちが得かは言えません。でも実額なら出せます
正直に書きます。私は「持ち家のほうが得です」とは言えません。
我が家は総額5,729万円で建てて、住宅ローンはフルローンです。地域も、家賃相場も、家族構成も、人によって違いすぎます。それを無視して「得」と言い切るのは、私がいちばん嫌いなタイプの記事です。
そのかわり、この論争でいつも抜け落ちている2つの数字を実額で出します。
- 賃貸にはかからない費用(=持ち家だけが払う)
- 賃貸では得られない収入(=持ち家だけが受け取る)
この2つを並べたとき、我が家では差引が年389円になりました。私自身、集計するまで知りませんでした。
① 賃貸にはかからない費用|年199,700円
賃貸に住んでいたら払わなかったお金です。6年目(2026年)の実額です。
| 項目 | 年額 | 備考 |
|---|---|---|
| 固定資産税+都市計画税 | 184,700円 | 6年目・満額になった年 |
| 火災保険 | 約12,000円 | 省令準耐火で安い |
| メンテナンス実費 | 約3,000円 | 換気フィルター代のみ |
| 合計 | 199,700円 | 月あたり約16,600円 |
9割以上が固定資産税です。修繕費ではありません。ここは意外でした。
6年間、有償の修繕は0円でした。壊れなかったからです。ただしこれは「6年目だから」であって、10年、20年と経てば外壁や屋根の話が出てきます。今の数字がこの先も続くとは思っていません。
② 賃貸では得られない収入|年199,311円
ここが、持ち家vs賃貸の議論でほとんど語られない部分です。
我が家は屋根に太陽光を10kW載せています。2025年の売電収入は199,311円でした。
賃貸では、屋根は自分のものではありません。売電収入は持ち家だけが受け取れるお金です。
費用 199,700円 − 収入 199,311円 = 差引 389円
狙って合わせたわけではありません。集計したらこうなっていました。
つまり我が家では、「持ち家だから余計にかかっているお金」が、実質ほぼゼロだったということです。
③ 「持ち家は維持費がかかる」は半分正しくて、半分は条件しだい
もし太陽光を載せていなかったら、我が家は毎年20万円を持ち出していました。「持ち家は維持費がかかる」は、その場合には完全に正しいです。
逆に言えば、設備しだいで維持費は相殺できるということでもあります。これは賃貸にはできません。
ただし太陽光にも前提があります。我が家のFIT単価は21円で、2030年3月までです。それ以降は売電単価が下がるので、この相殺は続きません。ここも正直に書いておきます。
④ 誤算だったこと|正直に2つ
きれいな話だけ書くつもりはありません。6年で2つ、想定外がありました。
固定資産税が6年目に約62,000円上がった
長期優良住宅は、家屋の固定資産税が5年間だけ半額になります。我が家はその減額が2025年度で終わり、2026年度から満額になりました。
入居直後の金額で家計を組んでいたので、これは完全に想定外でした。月あたり約5,200円の増加です。固定資産税の実額と内訳はこちらにまとめています。
変動金利が上がった
借りたときの金利は0.625%でした。いまは1.275%です。
賃貸なら、家賃は契約期間中に勝手には上がりません。変動金利で借りる持ち家は、住居費が上がるリスクを自分で持つということです。この点は、賃貸のほうがはっきり有利だと思っています。
⑤ この記事で比較していないこと
フェアに書くために、あえて比較から外したものを明記します。
- 住宅ローンの返済額——借入額も金利も家庭ごとに違いすぎて、比べる意味がありません
- 地域の家賃相場——同じ広さ・同じ設備の賃貸がいくらかは、地域で何倍も変わります
- 資産価値——売ってみないと分からないので、私は数字を持っていません
この3つを無視して「持ち家が得」と結論づけている記事は、信用しないほうがいいと思います。私も結論は出しません。
⑥ これから決める人へ|見るべき3つの数字
偉そうなことは言えません。私は「入居直後の固定資産税で家計を組む」というミスをした側です。
そのうえで、この3つだけは確認してください。
- 固定資産税は「減額が終わったあと」の額で見る——長期優良住宅なら6年目、一般住宅なら4年目の金額です。営業担当に聞けば試算してもらえます
- 太陽光の売電は、維持費と同じスケールになりうる——我が家では年20万円対年20万円でした。載せるかどうかは、この規模感で考える価値があります
- 変動金利は上がる前提で計算する——我が家は6年で0.625%→1.275%になりました
家そのものには大満足しています。6年住んで、性能にも住み心地にも後悔はありません。それでもお金の見積もりだけはやり直したい、というのが正直な気持ちです。
よくある質問
結局、持ち家と賃貸はどちらが得ですか?
我が家のデータからは断定できません。借入額・金利・地域の家賃相場が家庭ごとに違いすぎるためです。この記事で出せるのは「持ち家だけにかかる費用は年199,700円、持ち家だけが得る売電収入は年199,311円で、差引389円だった」という実額までです。
持ち家の維持費はいくら見ておけばいいですか?
我が家(築6年・i-smart)は年199,700円で、その9割以上が固定資産税でした。ただし6年間は有償修繕が0円だったための金額です。10年を超えると外壁・屋根の費用が出てくるので、この額が続く前提では考えていません。
太陽光があれば維持費はゼロにできますか?
我が家では結果的にほぼ相殺されましたが、FIT単価21円が2030年3月までという前提があります。それ以降は売電単価が下がるため、同じようには相殺できません。恒久的にゼロになるとは考えないほうが安全です。
賃貸のほうが有利だと思う点はありますか?
あります。住居費が上がるリスクを負わない点です。我が家は変動金利が0.625%から1.275%に上がりました。賃貸なら契約期間中に家賃が勝手に上がることはありません。ここは賃貸のほうがはっきり有利だと思っています。
まとめ
- 賃貸にはかからない費用は年199,700円(9割以上が固定資産税)
- 賃貸では得られない売電収入は年199,311円
- 差引389円。我が家では「持ち家だから余計にかかるお金」が実質ゼロだった
- ただし固定資産税は6年目に約62,000円上がり、変動金利も0.625%→1.275%に上がった
- 返済額・家賃相場・資産価値は家庭ごとに違うので、どちらが得かは結論づけない
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