変動金利が上がったらどうなる?0.625%→1.275%を実際に経験した施主が、残高4,946万円で+2.0%まで試算しました
「変動金利は今後上がるのか」「上がったら返済はどうなるのか」——これから借りる人にとっても、すでに借りている人にとっても、いま一番気になるところだと思います。
我が家は2020年に5,900万円を変動金利0.625%で借りました。そして実際に1.275%まで上がりました。ちょうど2倍です。
この記事では、実際に上がったときに何が起きたかを返済予定表の実額で公開し、そこから「ここからさらに+0.5%〜+2.0%上がったらどうなるか」を残高4,946万円で試算します。あわせて、よく誤解されている5年ルール・125%ルールが何を守ってくれて、何を守ってくれないのかもはっきりさせます。
結論|怖いのは「返済額」ではなく「元金が減らなくなること」
先に結論を書きます。金利が0.625%から1.275%へ、ちょうど2倍になったとき、我が家の毎月の返済額は2,000円ちょっとしか増えませんでした。
正直、拍子抜けしました。でも返済予定表の中身を見て、血の気が引きました。
| 項目 | 当初(0.625%) | 現在(1.275%) |
|---|---|---|
| 毎月の返済額 | 約98,100円 | 100,286円 |
| うち利息 | 約16,232円 | 約33,113円 |
| うち元金 | 約81,900円 | 67,173円 |
利息が104%増、つまり倍以上になっていました。返済額はほとんど変わっていないのに、その内訳が入れ替わっている。元金の減りが月1万5千円ほど遅くなったということです。
変動金利で本当に怖いのは、毎月の支払いが増えることではありません。
支払額が変わらないせいで、元金が減らなくなっていることに気づけないことです。家計簿を見ても何も変わっていないので、危機感が生まれません。
ここからさらに上がったら?残高4,946万円で試算しました
我が家の現在の残高は約4,946万円、残りの返済期間は約29年です。この条件で、金利がここからさらに上がった場合を計算しました。
| 金利 | 毎月の返済額 | 今より | 総返済額 | 今より |
|---|---|---|---|---|
| 1.275%(現在) | 170,092円 | — | 5,919万円 | — |
| 1.775%(+0.5%) | 181,933円 | +11,841円 | 6,331万円 | +412万円 |
| 2.275%(+1.0%) | 194,259円 | +24,166円 | 6,760万円 | +841万円 |
| 2.775%(+1.5%) | 207,059円 | +36,967円 | 7,206万円 | +1,286万円 |
| 3.275%(+2.0%) | 220,325円 | +50,233円 | 7,667万円 | +1,748万円 |
金利が1%上がるだけで、総返済額は841万円増えます。毎月では24,166円。ここまで来ると、家計に直接効いてきます。
これから借りる方は、「1%上がっても払えるか」を借入額を決める段階で確認してください。逆算のやり方は住宅ローンはいくらまで借りていい?にまとめています。
※上記は元利均等・ボーナス払いなしに単純化したモデル試算です。5年ルールにより、実際の返済額はすぐにこの金額へは変わりません(次の章で説明します)。
5年ルール・125%ルールは、何を守ってくれるのか
変動金利には2つの緩衝装置があります。よく「だから安心」と説明されますが、何を守って、何を守らないのかを正確に知っておく必要があります。
| ルール | 内容 | 守ってくれるもの |
|---|---|---|
| 5年ルール | 金利が上がっても、返済額は5年間変わらない | 毎月の支払額 |
| 125%ルール | 返済額の見直し時も、前回の1.25倍が上限 | 急激な支払増 |
| どちらも守ってくれないもの | 利息の総額・元金の減り | |
我が家の毎月分の返済額は100,286円なので、125%ルールの上限は125,358円です。次の見直しで金利がどれだけ上がっても、これ以上は請求されません。
ここが誤解されやすいところです。2つのルールは「支払いを先送りしているだけ」で、減額してくれるわけではありません。
払わなかった利息は消えません。元金が減らないまま先に進み、最終回にまとめて請求されます。安心材料ではなく、リスクを見えなくする装置だと考えたほうが正確です。
「未払利息」が発生する金利は、我が家の場合3.86%でした
変動金利のいちばん深刻なシナリオが未払利息です。毎月の返済額をすべて利息が食いつぶし、元金が1円も減らなくなる状態を指します。
これが何%で起きるのかを、我が家の実数字で計算しました。毎月分の残高は31,165,915円、毎月の返済額は100,286円です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 毎月分のローン残高 | 31,165,915円 |
| 毎月の返済額 | 100,286円 |
| 返済額がすべて利息になる金利 | 年3.86% |
| 現在の金利 | 1.275% |
| 未払利息までの余地 | あと2.59% |
計算は単純で、返済額 × 12 ÷ 残高です。100,286円 × 12 ÷ 31,165,915円 = 3.86%。この金利を超えると、払っても元金がまったく減らなくなります。
同じ計算はどなたでもできます。返済予定表の「毎月の返済額」と「残高」があれば、自分の家の限界金利が分かります。いま計算しておくと、金利のニュースを見るときの感覚がまったく変わります。
誤解のないように書いておくと、3.86%はすぐ来る水準ではありません。我が家はあと2.59%の余地があります。
ただし借入額が大きいほど、この余地は小さくなります。残高が多く返済額が少ないほど、限界金利は低くなるからです。借りすぎているかどうかは、この数字にはっきり出ます。
いま、何をしておくべきか
① 返済予定表で「利息の内訳」を確認する
毎月の返済額ではなく、そのうち何円が利息なのかを見てください。我が家は16,232円→33,113円でした。ここが増えていれば、金利上昇の影響を確実に受けています。
② 自分の「限界金利」を計算しておく
返済額 × 12 ÷ 残高。これだけです。我が家は3.86%でした。この数字を知っているかどうかで、金利ニュースの受け止め方が変わります。
③ 借り換えの試算だけでもしておく
我が家は0.7%に借り換えられた場合、総返済額が452万円変わる試算になりました。諸費用100〜150万円を引いても300万円以上のプラスです。実際の試算は1.275%になった今、借り換えるべき?に載せています。
ただし正直に書くと、我が家はまだ借り換えていません。連帯債務のままいけるか、妻がパート勤務で審査に通るか、団信の条件が変わらないか——この3つが解けていないからです。試算だけでもしておくと、動くべきタイミングが分かります。
金利が上がってからでは、選択肢が減ります
借り換えは新規の審査です。収入が減ってから、金利がもっと上がってからでは、通らない可能性が上がります。
我が家は借入のとき紹介された1行だけで決め、比較を一切しませんでした。その結果が、この記事に書いた金利上昇の影響です。いくら下げられるのかを知っておくだけでも、判断の材料になります。
※無料。我が家が利用したサービスではありません。借り換えを比較する手段の一例として紹介しています。特定の金融機関を推奨するものではありません。
よくある質問
変動金利が上がったら、毎月の返済額はすぐ増えますか?
すぐには増えません。5年ルールにより、返済額は5年間据え置かれます。我が家も金利が0.625%→1.275%と倍になりましたが、毎月の返済額は約98,100円→100,286円と2,000円ちょっとしか増えていません。ただし利息は16,232円→33,113円と倍以上になっており、その分だけ元金が減らなくなっています。
5年ルール・125%ルールがあれば安心ではないですか?
支払いを先送りしているだけで、減額されるわけではありません。払わなかった利息は消えず、元金が減らないまま進みます。我が家の125%ルールの上限は125,358円(現在100,286円)ですが、これは「それ以上請求されない」だけで、負債が軽くなるわけではない点に注意してください。
未払利息とは何ですか?何%で起きますか?
毎月の返済額をすべて利息が食いつぶし、元金が1円も減らなくなる状態です。計算は返済額 × 12 ÷ 残高。我が家は100,286円 × 12 ÷ 31,165,915円 = 年3.86%でした。現在1.275%なので、あと2.59%の余地があります。借入額が大きいほど、この余地は小さくなります。
金利が1%上がると、総返済額はいくら増えますか?
我が家(残高4,946万円・残り29年)の試算では、1.275%→2.275%で総返済額が841万円増え、毎月は24,166円増える計算です。+0.5%なら412万円、+2.0%なら1,748万円の増加になります。借入額が大きいほど、金利上昇の打撃も比例して大きくなります。
いま変動金利で借りるのは危険ですか?
危険かどうかは金利ではなく借入額で決まるというのが、実際に経験しての感想です。判断軸は「1%上がっても払えるか」の一点だと思います。耐えられないなら、固定にするか借入額そのものを下げるべきです。我が家は借入額が大きすぎたため、金利が動くたびに影響が大きくなっています。
いま借り換えるべきですか?
一般的な目安は「残高1,000万円以上・残期間10年以上・金利差0.3%以上」で、我が家は3つとも当てはまります。試算では総返済額が452万円変わりました。ただし我が家はまだ借り換えていません。連帯債務・妻の収入・団信の3点が解けていないからです。借り換えは新規の審査なので、条件が良いうちに試算だけでもしておくことをおすすめします。
まとめ
・金利が0.625%→1.275%と倍になっても、毎月の返済額は2,000円しか増えなかった
・しかし利息は16,232円→33,113円と104%増。元金の減りが遅くなっている
・ここから+1.0%で総返済額は841万円増える(残高4,946万円・残り29年)
・5年ルール・125%ルールは先送りであって減額ではない
・未払利息が出る金利は「返済額×12÷残高」。我が家は3.86%だった
・危険かどうかを決めるのは金利ではなく借入額
我が家は借入額が大きすぎました。だから金利が少し動くだけで、これだけの影響を受けます。金利は自分で選べませんが、借入額は選べます。これが、実際に上昇を経験して一番強く思っていることです。
※本記事の金額は我が家の実際の返済予定表に基づく実額です。金利上昇後の試算は元利均等返済によるモデル計算で、実際の適用条件は金融機関により異なります。特定の金融機関を推奨するものではなく、金融商品の助言を目的としたものでもありません。
住宅ローンの全記録を、1本にまとめました
金利が上がったときに我が家で実際に何が起きたのか、返済予定表の実額とあわせて1枚の表に集約し、「私がもう一度住宅ローンを組むなら、こうする」まで書いた保存版のnoteです。借入5,900万円の内訳/金利0.625%→1.275%で利息がどう増えたかの試算/連帯債務×住宅ローン控除の損得/借入前に使える「危険度セルフ診断チェックリスト10項目」を収録しています。
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