【実録】住宅ローン5,900万円を借りて後悔した話|世帯年収1,100万のパワーカップルが産後1馬力になった誤算
「共働きなら、これくらい借りても大丈夫だよね」——家を建てるとき、私たち夫婦は本気でそう思っていました。
結論から正直に書きます。我が家は住宅ローンを借りすぎました。世帯年収1,100万円のいわゆる「パワーカップル」で、2020年に5,900万円をフルローン(頭金なし・35年・変動金利)で組みました。ところが産後に妻が退職して1馬力(年収550万円)に激変。さらに変動金利は0.625%から1.275%へ上昇し、いま金利が上がるたびに不安が止まりません。
失敗の本質は、たった一つ。「借りられる額」と「無理なく返せる額」を混同し、ライフプランの設計を怠ったことです。この記事では、我が家の返済予定表の実データをそのまま公開しながら、何を間違えたのか、いま同じ道を歩みかけている人が気をつけるべきことを、盛らずに書きます。
この記事の前提(我が家の状況)
| 建てた家 | 一条工務店 i-smartⅡ(2020年完成・総額3,254万円) |
|---|---|
| 当時の世帯年収 | 夫550万円+妻550万円=1,100万円(子どもが生まれる前の共働き) |
| ローンの組み方 | 労働金庫(ろうきん)の連帯債務・フルローン35年・変動金利・ボーナス払いあり |
| いまの状況 | 産後に妻が退職→パート復帰。実質1馬力で返済中 |
※金額は返済予定表・契約書に基づく実データです。金融機関名・口座などの個人が特定される情報は伏せています。
なぜ5,900万円も借りてしまったのか
いま振り返ると、判断が驚くほど安易でした。当時の私たちの頭の中はこうです。
- 「共働き1,100万なら余裕」——世帯年収だけを見て、返済能力を過大評価していた
- 「家賃が10万円だから、少し上乗せくらいで行ける」——毎月返済10万円台を家賃の延長で捉えていた
- 営業さんの「これくらいなら全然いけますよ」——プロに言われて安心してしまった(最終判断は自分たちですが、考えが甘かった)
- 審査が通った=大丈夫——「借りられる額」を「返せる額」と勘違いしていた
本来なら、固定資産税・火災保険・将来の修繕費・子育て費用・そして「片働きになる可能性」まで織り込んだライフプランを立ててから借入額を決めるべきでした。そこを完全に飛ばしてしまったのが、最大の失敗です。
契約の実データ(返済予定表より)
| 当初借入額 | 59,000,000円(頭金なしのフルローン) |
|---|---|
| 返済方法・期間 | 元利均等・35年(2020年〜2055年) |
| 毎月の返済額 | 100,286円 |
| ボーナス返済額 | 357,456円 × 年2回(毎月分とは別) |
| 年間の返済総額 | 約1,918,000円(毎月分+ボーナス分) |
| 金利タイプ | 変動金利(当初0.625%→現在1.275%) |
年間の返済総額は約192万円。共働きで世帯1,100万円あった頃は、返済負担率(年収に対する返済額の割合)は約17%で、たしかに「余裕」に見えていました。問題は、この前提が崩れたときです。
誤算①:産後、妻が退職して「1馬力」になった
子どもが生まれ、妻は退職しました。世帯年収は1,100万円から550万円へ、ちょうど半分に。連帯債務で「二馬力で返す」前提だったローンが、実質1馬力にのしかかってきました。
| 指標 | 共働き(1,100万) | 産後1馬力(550万) |
|---|---|---|
| 年収に対する借入倍率 | 5.4倍 | 10.7倍 |
| 返済負担率 | 17.4% | 34.9% |
一般に、無理のない返済負担率は手取りの20〜25%以内が目安と言われます。1馬力の額面年収に対して約35%という数字は、完全に警戒ラインを超えていました。「借りられる額=5,900万」は、二馬力という綱渡りの前提の上に成り立っていたのだと、失って初めて気づきました。
誤算②:変動金利が0.625%→1.275%に上がった
もう一つの誤算が、金利上昇です。借入当時0.625%だった変動金利は、いま1.275%。まだ返済額が急増していないのは、変動金利の「5年ルール(返済額は5年間据え置き)」「125%ルール(増えても前回の1.25倍まで)」に守られているからで、払う利息そのものは確実に増えています。
仮に5,900万円を35年・元利均等で借りた場合、金利だけで総返済額はこれだけ変わります(試算)。
| 金利 | 毎月返済(試算) | 総利息(試算) |
|---|---|---|
| 0.625%(当初) | 約157,100円 | 約698万円 |
| 1.275%(現在) | 約174,200円 | 約1,417万円 |
※上記は5,900万円・35年・元利均等・ボーナス払いなしで単純化したモデル試算です(実際の我が家はボーナス払い併用のため内訳は異なります)。金利がわずか0.6%上がるだけで、総利息は約700万円も増える——これが変動金利の怖さです。借りた額が大きいほど、金利上昇の打撃も比例して大きくなります。
借りる前に、複数行を並べて比べてください
我が家が5,900万円を借りたとき、金利の比較を一切していませんでした。紹介された1行の条件をそのまま受け入れた結果が、この記事に書いた誤算です。
借入額そのものを見直すのが最優先ですが、同じ額を借りるにしても、金利が0.1%違えば数十万円変わります。契約前の数分の比較が、35年の家計を左右します。
※無料。我が家が利用したサービスではありません。借入前に複数行を比較する手段の一例として紹介しています。特定の金融機関を推奨するものではありません。
いま、どうやってリカバリーしているか
正直、綺麗な成功談ではありません。妻がパートで復帰し、家計を切り詰めながらギリギリで返済を続けているのが実情です。金利がもう一段上がる場面では、いまも不安が消えません。
そんな中で家計を確実に助けてくれているのが、i-smartの太陽光10kWの売電収入(年約20万円)です。電気代が抑えられ、売電が入ることで、他の家より固定費が軽い。「設備にお金をかけた家」が、皮肉にも家計の防波堤になっています。実際の数字はこちらにまとめています。
これから住宅ローンを組む人へ|5つの教訓
- 「1馬力で返せる額」で組む。共働き前提のフルローンは、片方が働けなくなった瞬間に破綻に近づきます。産休・育休・退職・転職は「起こる前提」で。
- 返済負担率は手取りの20〜25%以内に。額面ではなく手取りで、しかも余裕を持った側の年収で計算する。
- ボーナス払いはできれば外す。ボーナスは景気や転職で簡単に消えます。月々だけで完結する返済にしておくと、いざという時に効きます。
- 変動金利は「上がる前提」で余力を残す。5年・125%ルールは“先送り”であって免除ではありません。金利1%上昇に耐えられるかをシミュレーションしておく。
- 家賃の延長で考えない。持ち家は固定資産税・火災保険・修繕費が毎年乗ります。これらを含めた総支出でライフプランを立ててから、借入額を逆算する。
いちばん伝えたいのは、「いくら借りられるか」を銀行や営業に聞く前に、「いくらなら一生無理なく返せるか」を自分たちで決めておくこと。順番を逆にした我が家は、いまその代償を払っています。
借入額を決めたら、その予算で建つ家を見てください
私の失敗は「いくら借りられるか」から家を決めたことでした。順番が逆です。
先に返せる額を決めたら、次はその予算で何が建つのかを複数社に出してもらう番です。同じ予算でも会社によって建つ家はかなり違います。間取りと資金計画がまとめて届くので、建築費だけでなく「毎月いくら返すことになるか」まで含めて比べられます。私は家が完成したあとにこれを使い、契約前にやっておけばよかったと本気で思いました。
※無料。全国1,350社以上が登録(2026年8月現在・タウンライフ公式サイト記載)。私自身も実際に利用したサービスです(家の完成後)。
よくある質問
世帯年収1,100万で5,900万円の借入は多すぎですか?
共働きが続く前提なら借入倍率5.4倍で「借りられる」水準ですが、片働きになると10.7倍・返済負担率35%まで跳ね上がります。我が家の実感では、1馬力でも返せる額を上限にすべきでした。
変動金利と固定金利、どちらにすべきでしたか?
低金利の恩恵は受けましたが、上昇局面の今は精神的な負担が大きいです。金利1%上昇に耐えられる返済計画かどうかが判断軸。耐えられないなら固定、または借入額を下げるべきだと考えます。
ボーナス払いはやめたほうがいいですか?
我が家はボーナス返済357,456円×年2回を併用していますが、ボーナスは景気や転職で減る可能性があります。月々だけで完結できる返済にしておくほうが安全です。
いま返済が苦しい場合、どうすればいいですか?
まずは家計の固定費見直しと、繰り上げ返済・借り換えの検討です。我が家は妻のパート復帰と太陽光の売電収入(年約20万円)で家計を支えています。収入源を分散させることも有効です。
まとめ|「借りられる額」ではなく「返せる額」で決める
- 世帯1,100万のパワーカップルが5,900万をフルローン→産後1馬力で返済負担率が17%→35%に
- 変動金利は0.625%→1.275%へ。5年・125%ルールは“先送り”で、利息総額は着実に増える
- 失敗の本質は「借りられる額」と「返せる額」の混同+ライフプランの軽視
- これから組むなら「1馬力で返せる額」「返済負担率25%以内」「ボーナス払いなし」を基準に
家そのものには大満足しています。それでも、お金の組み立てだけはやり直したい——これが6年住んだ正直な気持ちです。同じ後悔をする人が一人でも減れば、この記事を公開した意味があります。
住宅ローンの全記録を、1本にまとめました
ブログに散らばっている数字を1枚の表に集約し、さらに「私がもう一度住宅ローンを組むなら、こうする」までを書いた保存版のnoteを公開しました。借入5,900万円の内訳/金利0.625%→1.275%で利息がどう増えたかの試算/連帯債務×住宅ローン控除の損得/そして借入前に使える「危険度セルフ診断チェックリスト10項目」。ボーナス払いを一切おすすめしない理由も、正直に書いています。
▶ note(¥300)で住宅ローンの全記録を読む※筆者自身の有料note(¥300)です
📚 あわせて読みたい
- つなぎ融資の利息は182,680円|4本5,560万円の実額を書類で全公開
- 建物総額3,254万円・坪単価の内訳を全公開
- 太陽光10kWの売電実績|累計129万円・自給率152%(家計の支え)
- 【3年分の実データ】i-smartの電気代を全公開
- 【6年実録】メンテナンス費用|有償修繕0円・実費はフィルター代だけ
- i-smartに6年住んで感じた5つの後悔
- 一条工務店に値引きはある?交渉ゼロで使えた3つの制度
- ろうきんの連帯債務で組んで後悔した話|金利・団信の本音
- 住宅ローン控除でいくら戻った?連帯債務「2人分」の落とし穴
- 変動金利0.625→1.275%で利息はどう変わった?返済予定表で実額公開
- 結局いくら?土地・建物・外構・諸費用の総額5,729万円を全公開
- 固定資産税はいくら?長期優良の5年減額が終わった実額184,700円
- 1.275%になった今、借り換えるべき?総返済452万円の差を試算
- 住宅ローンはいくらまで借りていい?手取り年収別の早見表
- 変動金利が上がったらどうなる?+2.0%まで試算・未払利息が出る金利は3.86%
- 繰り上げ返済すべき?控除枠が余っているかで判断が変わる|実額で計算
